建築設計・施工業者必見！アスベスト調査に関する法律・規制を徹底解説

(最終更新日：2024年11月21日)

　アスベストは、かつて建築材料として広く使用されていましたが、その有害性が明らかになり、現在では使用が禁止されています。建築設計・施工業者にとって、アスベスト調査は、建物の安全性を確保し、法令遵守を果たす上で欠かせない作業です。

　本記事では、アスベスト調査に関する法律・規制を網羅的に解説し、建築設計・施工業者が知っておくべき重要なポイントを詳しく説明します。

＜目次＞

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　アスベストに関する法律・規制は、大きく分けて以下の3つがあります。

労働安全衛生法 (厚生労働省)
- アスベスト含有建材の製造・輸入・販売を原則禁止しています。
- 建築物におけるアスベスト含有建材の使用を規制しています。
- 労働者がアスベストに暴露されるリスクを低減するための規制を定めています。
- アスベスト含有建材の取り扱い作業における安全対策を義務付けています。

大気汚染防止法(環境省)
- 建築物や工作物の解体・改造・補修工事において、アスベストの飛散防止対策を義務付けています。
建築基準法 (国土交通省)
- 建築物におけるアスベスト含有建材の使用を規制しています。
- 建物の増改築時におけるアスベストの除去を義務付けています。
その他
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
- 建設工事にかかわる資材の再資源化等に関する法律

これらの法律は、厚生労働省を始め複数の省が関連しています。

アスベスト関連の法律・規制の関係性のイメージ

(石綿パンフレット：石綿による環境汚染・健康障害をなくそう！を参考にイビデンエンジニアリング(株)が作成)

　アスベスト調査には、以下の2つの種類があります。

　アスベスト事前調査は、以下の手順で行われます。

調査計画:
調査対象となる建築物の情報収集、調査範囲の決定、調査方法の選定を行います。
現場調査:
建築物の構造や材料を調査し、アスベスト含有建材の疑いがある箇所を特定します。また、調査計画の段階で収集した建築物の建材情報と、現状の現場で使用されている建材とが異なっていないか、リフォームなどで図面に記載のない建材がないかを確認します。
試料採取:
アスベスト含有建材の疑いがある箇所から試料を採取します。
分析:
採取した試料を分析し、アスベストの種類と含有量を調べます。
報告書作成:
分析結果に基づき、アスベスト調査報告書を作成します。

　アスベスト調査の費用は、調査対象となる建築物の規模や構造、調査方法によって異なります。一般的には、数万円から数百万円程度かかります。

アスベスト調査は、専門知識と経験が必要な作業です。信頼できる専門業者を選ぶことが重要です。

資格:
アスベスト調査は、「建築物石綿含有建材調査者」、又は令和5年9月30日までに日本アスベスト調査診断協会に登録されたアスベスト診断士が行う必要があります。
実績:
多くの実績を持つ業者を選ぶことが重要です。
費用:
費用が安すぎる場合は、作業工数や分析検体数が十分に確保されていない可能性があります。