基板の純水抽出試験(IPC-TM-650) | イビデンエンジニアリング

C-0013

基板の純水抽出試験（IPC-TM-650）

IPC-TM-650準拠イオンクロマトグラフ法(IC)

電子基板上のイオンコンタミネーションは絶縁不良等、製品に悪影響を及ぼす原因の１つです。基板の抽出試験は、IPC　TM-650に定められている電子基板上のイオンコンタミネーションをイオンクロマトグラフィーを用いて測定、評価する試験です。

■評価に用いられる主なイオン
【無機陰イオン】
フッ化物イオン、塩化物イオン、亜硝酸イオン、臭化物イオン、硝酸イオン、　　リン酸イオン、硫酸イオン

Fig.1 無機陰イオン標準試料のクロマトグラム
【無機陽イオン】
リチウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、　　マグネシウムイオン、カルシウムイオン

Fig.2 無機陽イオン標準試料のクロマトグラム
【有機酸】
酢酸、アジピン酸、ギ酸、グルタミン酸、リンゴ酸、メタスルホン酸、　　コハク酸、フタル酸

■基板の抽出試験の概要


■試験結果
結果は、以下の式により算出します


Table 1 基板の純水抽出試験結果例


■Q&A
Q1：	試料の基板の大きさに制限はありますか
A1：	抽出バックに入れる必要があるため、最大でも15 cm四方です。
	また、抽出バックは小さく加工可能なので、抽出操作に関しては大きさの下限はありません。しかし、測定精度で考えた場合、より大きい方が、高い精度で対応できます。

Q2：	基板の大きさによって定量下限は変わりますか？
A2：	可能な限り定量下限が変わらないように、基板の面積対して抽出液の量を変えます。
	そのため、基本的には基板の大きさに対して定量下限は大きく変わりません。しかし、あまりにも小さい基板の場合は、抽出液量が測定に必要な量を満たせないため、正規の手法、定量下限で測定を行うことが困難となります。そのような小さな基板（34 cm四方未満）の場合は、複数の検体をいただければ、正規の対応が可能となります。

	※赤点線は、測定に必要な抽出液量を示します

■　原理
	イオンクロマトグラフィー（IC）

石綿(アスベスト)調査、信頼性試験､土壌分析はイビデンエンジニアリングへ