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H-1008
アスベスト事前調査:間違えやすい建材例と、アスベスト含有建材の見分け方
(最終更新日:2025年4月10日)
本記事では、アスベスト事前調査について、間違えやすい建材例とともに建材の見分け方を解説します。
<目次>
資料ダウンロードはこちら
アスベストとは天然の鉱物繊維で、耐熱性や耐薬品性に優れていることから、かつては建材や工業製品に広く使用されていました。しかし、アスベストの繊維を吸い込むと、肺胞に沈着し肺の中に長く滞留して、肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになっています。
アスベスト含有建材は、繊維の飛散しやすさによってレベル1~3に分類されています。レベル1がもっとも健康被害のリスクが高いとされ、石綿含有吹付け材などが該当します。
table1 アスベスト含有建材のレベル一覧表
アスベストは、見た目だけでは判断しにくい場合があります。特に、以下のような建材は見た目がアスベストに似ている場合が多く、アスベストと混同されやすい傾向にあります。
レベル2:巻き付け耐火被覆材、押出発泡ポリスチレン保温板、グラスウール吸音材、耐熱性セラミック繊維の目地材
レベル3:木質系吸音板
「建築物石綿含有建材調査者講習テキスト」より
これらの建材は、有害な繊維が発生しないなどの安全性が確認されています。
アスベストを見た目だけで判別するのは難しく、過去には調査の見落としが発覚してニュースになった例もあります。(見落としの事例 2022年神戸市市営住宅、2019年大阪市旧庁舎 など)
2023年10月の法改正以降、事前調査は建築物石綿含有建材調査者やアスベスト診断士が行うことが義務付けられました。これらの資格を有する者(以下、有資格者)は、事前調査の際にさまざまな方法でアスベスト含有建材を見分けています。
<見分け方>
建築物等の着工年月 石綿含有建材データベース メーカー問い合わせ 石綿含有建材の製造時期 アスベスト分析 アスベストマーク 過去のアスベスト事前調査結果
建築物が2006年9月1日以降に着工していることを書面で確認できた場合は、「アスベスト無し」と判断できます。
なお、書面とは設計図書や竣工図など、石綿全面禁止以降に着工した建築物であることが証明できる書類を意味します。
建築物の着工が2006年9月1日以前の場合、書面確認と、有資格者による現地の目視調査を行い、使用されている建材の種類を特定します。建材の情報を石綿含有建材データベースで検索し、リストに該当商品があった場合は「アスベスト有り」であり、レベル1~3のいずれに該当するかを確認できます。
なお、リストに該当商品がなかったとしても、「アスベスト無し」と判断することはできません。
書面確認と目視調査によって、使用されている建材のメーカー名、商品名、ロット番号を特定します。メーカーに問い合わせることで、「アスベスト有り」やレベル1~3のいずれに該当するか、もしくは「アスベスト無し※」と判断できます。※無含有証明書等
アスベスト含有建材は、製造時期や使用されていたおおむねの期間が分かっています。データベースやメーカー問合せで含有有無が明らかにならなかった場合などは、⑤分析を行う必要性 (みなし含有として扱うか否か) の判断材料として、製造時期から推測する方法もあります。
なお、製造時期から「アスベスト無し」と判断することはできません。
書面確認と目視調査でアスベストの含有有無が分からなかった場合、分析機関でアスベスト分析を行います。建材中に0.1%を超えてアスベストを含有するか否かについて、JIS A1481規格群で定められる定性分析・定量分析を用いて判断します。 (石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル 厚生労働省より)
なお、分析用の試料採取の際には、飛散・ばく露防止の措置が必要です。
一部のアスベスト含有製品は、アスベストマーク “a” がついていることがあります。レベル3に該当する石綿含有成形板等の一部は、メーカーが識別を容易にするために ”a” マークを押印していたため、判断材料の1つとすることができます。
なお、アスベストマーク “a” がなかったとしても、「アスベスト無し」と判断することはできません。
過去に書類調査と目視調査、またアスベスト分析を行った調査結果がある場合は、アスベストの含有有無の判断の参考にすることができます。
過去の調査結果を参考にする上で、重要なポイントは以下の通りです。
なお、過去の調査結果で「アスベスト有り」となっている場合は含有建材と判断することができますが、「アスベスト無し」となっている場合は現在の基準に合致しない可能性があるため注意が必要です。
アスベスト調査は、建築物石綿含有建材調査者やアスベスト診断士といった専門家が所属する調査専門会社に依頼することが重要です。法的に有資格者による調査が義務付けられている上に、有資格者が正確に調査をすることで、見落としや健康被害のリスクを軽減できます。
アスベストに関する情報は、国土交通省や厚生労働省のホームページで確認できます。アスベストの危険性と適切な対処法について理解し、安全な解体・リフォームを進めましょう。
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(最終更新日:2025年4月10日)
本記事では、アスベスト事前調査について、間違えやすい建材例とともに建材の見分け方を解説します。
<目次>
3.1 建築物等の着工年月
3.2 石綿含有建材データベース
3.3 メーカー問い合わせ
3.4 石綿含有建材の製造時期
3.5 アスベスト分析
3.6 アスベストマーク
3.7 過去のアスベスト事前調査結果
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1. アスベストとは?その危険性について
アスベストとは天然の鉱物繊維で、耐熱性や耐薬品性に優れていることから、かつては建材や工業製品に広く使用されていました。しかし、アスベストの繊維を吸い込むと、肺胞に沈着し肺の中に長く滞留して、肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになっています。
アスベスト含有建材は、繊維の飛散しやすさによってレベル1~3に分類されています。レベル1がもっとも健康被害のリスクが高いとされ、石綿含有吹付け材などが該当します。
table1 アスベスト含有建材のレベル一覧表
2. 間違えやすい建材例
アスベストは、見た目だけでは判断しにくい場合があります。特に、以下のような建材は見た目がアスベストに似ている場合が多く、アスベストと混同されやすい傾向にあります。
レベル2:巻き付け耐火被覆材、押出発泡ポリスチレン保温板、グラスウール吸音材、耐熱性セラミック繊維の目地材
レベル3:木質系吸音板
「建築物石綿含有建材調査者講習テキスト」より
これらの建材は、有害な繊維が発生しないなどの安全性が確認されています。
3. アスベスト含有建材の見分け方
アスベストを見た目だけで判別するのは難しく、過去には調査の見落としが発覚してニュースになった例もあります。(見落としの事例 2022年神戸市市営住宅、2019年大阪市旧庁舎 など)
2023年10月の法改正以降、事前調査は建築物石綿含有建材調査者やアスベスト診断士が行うことが義務付けられました。これらの資格を有する者(以下、有資格者)は、事前調査の際にさまざまな方法でアスベスト含有建材を見分けています。
<見分け方>
建築物等の着工年月
石綿含有建材データベース
メーカー問い合わせ
石綿含有建材の製造時期
アスベスト分析
アスベストマーク
過去のアスベスト事前調査結果
3.1 建築物等の着工年月
建築物が2006年9月1日以降に着工していることを書面で確認できた場合は、「アスベスト無し」と判断できます。
なお、書面とは設計図書や竣工図など、石綿全面禁止以降に着工した建築物であることが証明できる書類を意味します。
3.2 石綿含有建材データベース
建築物の着工が2006年9月1日以前の場合、書面確認と、有資格者による現地の目視調査を行い、使用されている建材の種類を特定します。建材の情報を石綿含有建材データベースで検索し、リストに該当商品があった場合は「アスベスト有り」であり、レベル1~3のいずれに該当するかを確認できます。
なお、リストに該当商品がなかったとしても、「アスベスト無し」と判断することはできません。
3.3 メーカー問い合わせ
書面確認と目視調査によって、使用されている建材のメーカー名、商品名、ロット番号を特定します。メーカーに問い合わせることで、「アスベスト有り」やレベル1~3のいずれに該当するか、もしくは「アスベスト無し※」と判断できます。※無含有証明書等
3.4 石綿含有建材の製造時期から推測
アスベスト含有建材は、製造時期や使用されていたおおむねの期間が分かっています。データベースやメーカー問合せで含有有無が明らかにならなかった場合などは、⑤分析を行う必要性 (みなし含有として扱うか否か) の判断材料として、製造時期から推測する方法もあります。
なお、製造時期から「アスベスト無し」と判断することはできません。
3.5 アスベスト分析
書面確認と目視調査でアスベストの含有有無が分からなかった場合、分析機関でアスベスト分析を行います。建材中に0.1%を超えてアスベストを含有するか否かについて、JIS A1481規格群で定められる定性分析・定量分析を用いて判断します。 (石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル 厚生労働省より)
なお、分析用の試料採取の際には、飛散・ばく露防止の措置が必要です。
3.6 アスベストマーク
一部のアスベスト含有製品は、アスベストマーク “a” がついていることがあります。レベル3に該当する石綿含有成形板等の一部は、メーカーが識別を容易にするために ”a” マークを押印していたため、判断材料の1つとすることができます。
なお、アスベストマーク “a” がなかったとしても、「アスベスト無し」と判断することはできません。
3.7 過去のアスベスト事前調査結果
過去に書類調査と目視調査、またアスベスト分析を行った調査結果がある場合は、アスベストの含有有無の判断の参考にすることができます。
過去の調査結果を参考にする上で、重要なポイントは以下の通りです。
なお、過去の調査結果で「アスベスト有り」となっている場合は含有建材と判断することができますが、「アスベスト無し」となっている場合は現在の基準に合致しない可能性があるため注意が必要です。
4. まとめ
アスベスト調査は、建築物石綿含有建材調査者やアスベスト診断士といった専門家が所属する調査専門会社に依頼することが重要です。法的に有資格者による調査が義務付けられている上に、有資格者が正確に調査をすることで、見落としや健康被害のリスクを軽減できます。
アスベストに関する情報は、国土交通省や厚生労働省のホームページで確認できます。アスベストの危険性と適切な対処法について理解し、安全な解体・リフォームを進めましょう。